存在とは、心とは、哲学初心者におすすめの哲学入門書まとめ

ミミズクの顔

ぼくらはなぜ、今ここでこうして存在しているのでしょうか。

おっと、冒頭から突然、怪しい雰囲気が漂ってしまいましたか?

でも、みんな子供の頃に一度は、こんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。

しかし、大人になって生活が忙しくなってくると、自分が存在している理由とか、心はどこにあるのかなんてことは、ほとんどの人にとって、どうでもよいことになってしまうようです。

まして、どんなに考えたところで、正しい答えにたどり着くことなんて、まず一生無理ですからね。

だったら、わずかな休日に、最新の家電や、おいしい飲食店をチェックしていたほうがよほど生産的?です。

しかし、もしかしたら子供の頃に抱いた疑問が、まだ心の奥底でくすぶっていて、モヤモヤしたものがあるのに、それに気付かないでいたいがために、いつも何かを追い求め続け、必要以上に働き、また得た給料で、必要以上の消費を続けているのかもしれません。

なんて、ちょっと考えすぎてしまいましたが、ぼくはそんな子供の頃に抱いた疑問を、いつか自分なりの答えにたどり着きたいと子供の頃からずっと考えていました。

ぼくなりの答えは、まだ見つかったわけではありませんが(かんたんに見つかるものではない)、哲学初心者に超おすすめの飲茶さんの哲学書をご紹介したいと思います。

哲学書らしくない、軽いタッチの哲学書

飲茶さんの哲学書(史上最強の哲学入門)は、格闘技を題材にした漫画「グラップラー刃牙」風に、格闘家たちが最強の強さを求めるように、哲学者たちが最強の論をぶつけ合うというスタイルを取るなど、

今まで哲学なんてまったく知らないよって言う人たちこそ、楽しめるような文体を採っています。

また、全体を通して、まったく哲学書らしくない砕けた表現が多く、「あたし、刃牙なんて読んだことないわよ!」っていう人でも問題なく楽しむことができます。

もちろん哲学について、知的好奇心を刺激し、興味深いという点においても十分、おもしろさを感じていただけると思います。

史上最強の哲学入門(西洋哲学編)

グラップラー刃牙の板垣恵介さんがカバーイラストを担当した哲学書第2弾。

まずは、西洋の哲学者たちの話しから聞くのが、一番分かりやすいかもしれません。

西の哲学者たちがバトンを渡すように順々に哲学を発展させていったことを、おもしろく、そして分かりやすく、過不足のない適度な情報量で解説されています。

それぞれの哲学者の最初のページには、格闘家的演出で、通り名と得意技が紹介されているのも、おもしろい試みだと思います。

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち

こちらが、板垣恵介さんカバーイラスト第1弾の哲学書です。

こちらは、東洋の哲人たちが、上記の本と同じ体裁を取って多くの哲人が紹介されています。

上記した西洋哲学編と、こちらの東洋哲学編の2冊を合わせて読むと、こんなにも西と東では、哲学に対するアプローチが違うものかということがよくわかります。

また、日本において東洋の哲学と言ったら、もっともメジャーである釈迦の考えた悟りの境地に関連するエピソードにも多くのページを割いているので、

悟り世代の若者がいる現代日本のみなさんは、一度読んでみるといいかもしれません。

人によって、西洋の哲学、あるいは東洋の哲学に、より深く共感できるかは違うので、こちらの2冊を読みくらべてみるとおもしろいですよ。

哲学的な何か、あと科学とか

以下の2冊は、「史上最強の哲学入門」シリーズと重複する箇所も見られますが、こちらも負けず劣らず興味深い話ばかりです。

今回は、アインシュタインの相対性理論や、多世界解釈(マルチバース)や量子力学などを題材に哲学が語られます。

ちょっと調べてみたことがあったけど結局よく分からなかった、2重スリット実験や、シュレディンガーの猫についても、ようやくこの本で理解できました。

ぼくらが存在するこの宇宙は、どうやら常識とはかけ離れたルールで作られているみたいです。

後半にでてくる、クオリアや、心の存在についての、どこでもドアの例えは、ちょっと深すぎて恐怖さえ感じてしまいましたが、本書の中でも、もっとも印象的なエピソードのひとつだと思います。

哲学的な何か、あと数学とか

矛盾なく完璧だと思われる数学の世界にも、どうやら限界があるらしい。

また、本書は悪魔的超難問のフェルマーの最終定理を証明するために、人生を台無しにしてしまった数学者たちのエピソードが数多く語られています。

数式は無機質で無感情に感じられますが、本書で語られる数学者たちの熱い情熱を知った後、ふいに数式に温かみを感じることができるようになっているかもしれません。

たまに登場する数式の意味がまったく分からなくても、楽しめるエピソードばかりでした。

まとめ

これらの本は、一見むずかしそうな印象を放っていますが、それぞれの本に登場する哲学者(科学者、数学者)たちの、人間くさくて興味深いエピソードは、スルスルと楽しく読めてしまうと思います。

今回、ご紹介した本を1冊でも読んで楽しく感じてしまったら、それ以外の本も全て読みたくなってしまう魅力があります。

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