自己啓発書を読むと、仕事に前向きに取り組むことができたり、将来は独立して事業を興したいなんて目標が見つかったり、あるいは人とうまくコミュニケーションをとることができるようになる、など、
自己啓発書は普段自分の身の回りではなかなか教えてくれない、有用な情報が詰まっているのですが、誰かが手に取ってくれるまでは、ただ沈黙し、書店やAmazonの倉庫で誰かの呼びかけをじっと待っています。
そんな仙人のような自己啓発書ですが、「真面目な本なんて興味ないよ」なんて人も多いのではないでしょうか。
対話、小説タイプの自己啓発書
そんな自己啓発書が苦手だという人には、対話、小説形式の自己啓発書がおすすめです。
対話形式の自己啓発書は主に、教師(教えてくれる人)と、生徒(教わる人)のやり取りが中心になるのですが、
分かりづらい点や、読み手が考えるであろう反論を生徒役が、教師に向かってガンガン聞くことで、読者の理解を助けてくれます。
また、セリフのため、話し言葉であることも、理解をかんたんにしていると思います。
というわけで、今回は内容もおもしろい、対話、小説タイプの自己啓発書をご紹介していきたいと思います。
頂きはどこにある?
人生は良いときもあれば、悪いときもあるものです。
人生がなかなかうまくいかない一人の若者が、人生の山(順境)と谷(逆境)について、ある老人に教えを受けるストーリーとなっています。
逆境からどのようにして抜け出すのか、また順境に長くいるためにはどうすればよいか、ということを、主人公のチャレンジを通して教えてくれます。
著者は本書の執筆に20年以上をかけたということですが、本は薄く、やさしい文体なので、お子さんでも楽しく読めそうです。
仕事は楽しいかね?
大雪のため空港に足止めされた主人公、飛行機が飛ぶまでの間、そこで出会ったある老人(実業家)と、自己変革を促されるような対話が展開されていきます。
この本は仕事を楽しむ方法が書いてあると言うよりは、仕事で成果を上げるために備えておきたい基本的な考えや、アイデアを教えてくれます。
仕事がうまくいっていなかったり、なにをすべきかがわかっていないと、仕事を楽しむことはできません。
しかし、成果を上げるためにやるべきことが分かり、日々それに取り組んでいれば、前向きに仕事を楽しむことができるのだと思います。
読みやすくておすすめです。
自分の小さな「箱」から脱出する方法
人間関係がうまくいかない、そんな悩みをお持ちの場合は、この本が助けてくれるかもしれません。
転職したばかりの主人公が、人間関係についての研修を受け、人間関係のあり方について学んでいくというストーリ。
人間関係の問題は、すべて自分が原因で引き起こしている、ということをよくわかります。
本書では、人間関係がうまくいかない原因を「小さな箱」の例えでイメージしやすい表現を尽くしています。
人は自分勝手に、自己正当化のために他人を悪者にし、その結果いつの間にやら自分が被害者であると感じ、結局ストレスを抱えてしまうと言うちょっとバカな生き物でもあります。
本書を読んで自分の内面を整理することで、問題を感じていた人間関係にも変化が期待できるでしょう。
V字回復の経営
複数の会社を立て直した著者が、それらの現場で実際に取り組んだことやその成果、改革の中で起こる様々なトラブルをひとつの架空の物語に纏め上げたスリリングなビジネス小説。
少々硬めの文体でボリュームのある小説なので、読みきるにはそれなりの読書力が求められますが、業績が落ち込んでいる部署にいる方などは興味深く読むことができそうです。
また、改革を進めるなかで社員の反発(後ろから弾が飛んでくる)が起こり、理屈だけではうまくいかない生々しいビジネスの現場が描かれています。
なかなか読み応えのある本でした。
おしまい
対話形式、小説形式の自己啓発書は自己の成長のためだけでなく、ただの読み物としても十分楽しむことができるお得な本です。
それに、ビジネスの話は家庭内にも共通する部分があるので、家族円満のためにもうまく活用できるといいですね。
ただ、そのまま運用してしまうと厳しくなりすぎるなどして通用しない部分もあるので、その点は十分に気をつけてくださいね。